プロリーグ、シーズン12を迎えるにあたり

 Pro League Season 11はコロナの影響でファイナルは開催されずに終了した。いま現在、Rainbow six siegeの競技シーンは運営組織やフォーマットの変更、マッププール更新や、新しいオペレーターの登場などを一気に迎えることになり大きな変革の時がきている。

 今までアジア地域のプロリーグは、日本・韓国・SEA・オセアニアの4つの地域にわかれて総当たりのリーグ戦を開催し、各地域の上位2チーム、合計8チームがオーストラリアの地でオフラインにて戦い、世界へ挑戦する権利を争っていた。

 また、シーズンごとに8チームのうち下位2チームはチャレンジャーリーグを通した入れ替え戦をすることになり、激しい入れ替わりも各チームを応援する人々が注目する大きなファクターになっていた。

 今現在、フォーマットの変更に伴い、アジア地域はチャレンジャーリーグが無く、今シーズンはプロリーグへの挑戦することが出来なくなった。1年に一度プロリーグへの挑戦権をかけたチャレンジャーリーグが開催されると噂もあるが、今から1年後どれだけプロリーグを目指しRainbow six siegeをやり続けている層がいるかはわからない。

 新フォーマットは各チームのバックについているスポンサーや企業などにとっては非常に良い変化を迎えることになりそうだ。1年間の安全保障は、計画が立てやすくなり、お金も投資しやすい環境になるといえる。企業や選手、UBIやESLにお金が回ればイースポーツとしてどんな面であれ活性化するだろう。継続性は飛躍的に高まり、競技は広がり行くような気もしてくる。

 旧フォーマットにおいて良い点だった、「PLに気軽に挑戦することが出来ること」は実は大きな問題を孕んでいたのだ。人口増加に伴い、その問題はどんどん膨れ上がった。年齢詐称や不正ツール、UBI Japanと取引出来ないような信用のない企業(この信用っていうのは銀行さんが言う信用です)もちろんそこを除けばいい点はある。気軽に挑戦できることは、目先の人参だ。プロリーグを目指している各チームはチャレンジャーリーグをモチベーションにして多かれ少なかれそれぞれファンを引っ提げて挑戦し続けることができた。スポンサーはあるが給料は出ていないチームなどはチャレンジャーリーグを突破すればお給料が出る…といった条件も多かったようである。

 旧フォーマットにおいて一番よかったことは、人口ピラミッドが維持されることによってゲームの寿命が延びることに他ならない。ゲームの実力人口ピラミッドは、キレイな末広がりを見せているとき、一番長命になる。プロリーグに上がるという目標をもったセミプロたちはアマチュア層の実力を引き上げる。そしてその競技を目指すアマチュア層の下にも数多くのゲームとして楽しんでいる層もいるのだ。プロリーグだけが特別な素晴らしいものになることは、決して悪いことではないが、身近で手の届く存在だからこそ追い続けてきた人たちもいる。実際にいくつかのゲーム達はこのピラミッドのバランスが崩れ、トップと中間との乖離が広がり、あっという間に一般プレイヤーの人口が減り、それに伴って競技シーンも衰退し消え去った。そしてサービス自体も消え去っていくのだ。ちなみに僕はそうならないためだけに活動してきたと言ってもいい。

 新旧の差をみるといずれのフォーマットにもメリットやデメリットが潜んでいることがわかる、そうだ新フォーマットは決して悪いわけではない。そんなメリットを消し去ってしまうような問題もいくつかあるようだ。それはフォーマット自体に対してではない、APAC Northに参加するチーム選考方法に関してだろう。

まず北APACのフォーマットは、全部で12チームだ。その地域分けであるが、公式のツイートを見てみよう。

APACNorthに参戦する国は「日本」「韓国」「SEA(タイ、インドネシア、マレーシア、シンガポール、フィリピン、台湾)」と記載されている。

いま現在決定しているチームを確認する。

日本 野良連合
日本 Cyclops Athlete Gaming
日本 GUTS Gaming
日本 FAV Gaming
韓国 Cloud9
韓国 Talon Esports
韓国 SCARZ
SEA  Xavier Esports
台湾 Team Notorious
未決定(GIantsという噂)
未決定(マレーシア、シンガポール、フィリピン、インドネシア予選)
未決定(招待枠?)

 日本国内から出場を決めた4チームは、招待枠として「野良連合」「CAG」が出場を決め、残りの2枠を争い、プロリーグに参加しているチームだけでトーナメントが行われた。何故そのような仕組みなったかは不明瞭で、もしもプロリーグに参加しているチームだけでトーナメントを行うならば、プロリーグの結果をそのまま参照してもよかったのではないだろうか。突然の開催と決定により、その試合の視聴者もあまり多くなかったように思える。1年間を継続してPLで戦い抜くチームを決めるという、大きな決定をする大会にしては、少しばかりファンを置き去りにしたともいえる結果になってしまったのではないだろうか。

 国外に目を向けてみると今度はバランスがおかしい気がしてくる、そのバランスの比重についての理由も明かされておらず、不明瞭なままだ。日本4枠、韓国3枠、ならばSEAのPLに参加していたチームに対しても3枠か4枠が与えられてしかるべきだが、何故日本だけが4枠も確保できているのかはわからない。日本がたくさんでうれしい!と短絡的に考えるのは簡単だが、不利益を被った地域のファンや視聴者が減ることを考え、全体を見たら手放しには喜べない。

 地域別にトーナメントを開催するのであれば、一律そのようなやり方をするべきだろうと思うし、地域や人種や人口や視聴者で、参加資格に格差がつくならばそれはスポーツではないだろう。

 公平な競技を戦い抜くことには大きな意味があると考えている。それぞれのチームにはファンがいる。それはきっとシージをプレイするゲーマーだったり、単にチームメンバーの誰かを応援する人かもしれない。いずれにせよそのファンは大会を盛り上げる視聴者である。公平なトーナメントは負けたチームのファンを、次のチームに引き継ぐことがある。全部とは言わないが一部はそのまま勝ったチームを応援することが多いだろう。

 もしもまったく公平でない、出場の権利すら与えられないチームや国があったら、そのチームを応援しているファンや民はどう思うだろうか。その競技すら見ないだろう。その大会を見る価値は大きく損なわれてしまうのではないだろうか。

 しかしながら、国や地域別にチーム数を決定すると、総当たりで進行するプロリーグにあたっては実力差がありすぎて面白くない試合が多くなってしまうという課題点がある。だが、強いチームばかりをいれては各地域からの視聴者が望めなくなってしまうという課題点が発生してしまう。いずれにせよ、NorthAPACを運営しフォーマットを考える組織は頭を痛めるだろう。

まとめ

 APAC地域のプロリーグの詳しいルールはいまだ決まっていない。僕が考えたような課題、問題などは恐らく既に関係者の方々は思いついて対策を考えている頃なのだろう。

 そしてどんな形式でどんな戦いが繰り広げられているのかは、まだわからない。どんな形になるにせよ、日本から出場を決めた4チームが世界に羽ばたき、熱い戦いを見せてくれることを願っている。

そしてRainbow Six SiegeとFPSの世界が今後も広がっていきますように。

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